「2009年は**冊読みました!」「ふーん」「……」

「2009年は161冊読みました!」「それは何がすごいの?」というわけでオススメ本16.1冊を挙げてみる - ミームの死骸を待ちながら 私にはとくにお勧めしたい本はありませんが、「こういう種類の本」を読む人が増えたらいいな、という思いはあります。そこで、…

菅原琢『世論の曲解』から自民党復権の可能性を妄想する

昨年末にも紹介しましたが、「構造改革」は多数派世論に支持され続けている、という本書の世論調査分析には相当な説得力があります。半ば常識として流布している政論とは異なる意見なので、違和感のある人が多いかもしれない。しかし、本書刊行後の各種世論…

飯田泰之『ダメな議論』を読んで肩を落とす

新年早々、こんな本を読んでしまった……。はぁ……。あ、この本そのものはお勧めします。だから意気消沈しているわけで。 ダメな議論を見分けるチェックポイント 定義の誤解・失敗はないか 無内容または反証不可能な言説 難解な理論の不安定な結論 単純なデータ…

ネットと本と講演と 他

1. この年末、今秋に政権交代を成し遂げた民主党の鳩山由紀夫政権の行方に関心を持った私は、『世論の曲解』と平行して本書『鳩山由紀夫の政治を科学する』を読みました。『世論の曲解』とは対照的に、従来型の政論副題こそ「帰ってきたバカヤロー経済学」…

菅原琢『世論の曲解』から民主党政権の行方を妄想する

1. 政治家は国民の声を知りたいと切実に願っていると思う。でも、なかなかわからない。陳情にくる人の声を聞いても、ブログ検索をしても、全くわからない。世論調査は比較的マシな情報源だけれども、結果をボンヤリ眺めるだけでは世論を曲解することに。 世…

阿刀田高「アイデアを捜せ」 他

1. 私は自分で物語を書くつもりはありませんが、作家が小説作りの苦心惨憺を記したエッセイなどは好きで、これまでに10数冊は読んでいます。あと、あとがきなどで執筆の様子が書かれているのも好きです。 物語作者がチラシの裏に書くべき7つの表/もうキャ…

ココロ社さんの本が面白い

超★ライフハック聖典 〜 迷えるアダルトのための最終☆自己啓発バイブル作者: ココロ社出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2009/11/19メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 7人 クリック: 762回この商品を含むブログ (20件) を見る ショッキングな自己啓発…

来月は休みます

来月は更新を控えます。仕事が期末でヤバいことになっているのに、こんなことしてる場合じゃない!これで全部、ではないので念のため。 うまくまとまらないけど、いくつかメモ。「完全パンクマニュアル」はすごく面白い。サイトを見て大笑いした人は、多分、…

ゆかいな誤変換。を買ってみた

ゆかいな誤変換。 僕の見た秩序。の投稿コーナゆかいな誤変換。の書籍化。投稿コーナの書籍化といえば、「オトナ語の謎。」「バカ日本地図」「1億人のプチ狂気」「食中毒への道 悶絶漂白剤編」「食中毒への道 逆噴射亀虫編」「死にたい」「死にたい〈Vol.2〉…

単行本より値段の高い文庫本

文庫本大好き 2005-02-16 以前,図書館で読んでから,文庫化されないかなぁと思っていた「腕(ブラ)一本・巴里の横顔―藤田嗣春エッセイ選」が,ようやく講談社文芸文庫から出た。 (中略) これこそ岩波文庫で出して欲しいような本だが,文庫化してくれた講談…

よい入門書が増加傾向

書店でたくさんの本を手に取りつつ感じたことですが、最近、いい入門書が増えました。何より、ダメな本が刊行されなくなってきたのでは? ノマドワークスの新刊「これ一冊でわかる!!HTML+スタイルシート」は期待に違わず HTML を正しく使い CSS で装飾してい…

自ギャグの詩、自虐の詩、ぼくんち

伊集院光って、テレビタレントとしてはそれほど素晴らしいポジションにいるわけじゃないのでしょうけれども、ある方面のラジオ聴取層にとっては神だったわけで。深夜放送だったから私はついぞ生で聴く機会がありませんでしたが、高校時代には友人からテープ…

ウェブログ・ハンドブック

ウェブログ・ハンドブック 内容も翻訳も不満ない。まあ本を読むたびに異論、異説をいいだしたらきりがないので、そのあたりは適当に省略。ただしひとつだけいいたいことがある。本書のデザインを担当した者は切腹すべし。装丁も、もうちょっとどうにかならな…

スタイルシート スタイルブック

スタイルシート スタイルブック 副題に「正しくやさしいCSS入門」とありますが、まったくの初心者には「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」などの他書をお勧めします。本書はHTMLとCSSをある程度かじっているけれど、今ひとつピンとこない「万…

遠回り

ついつい「HTML&スタイルシートトレーニングブック」のレビューではきついことを書いたのだけれども、書店でパラパラやっていると、ホントにひどい本というのは他にいくらでもあることに気づかされます。星2つというのは Amazon ではあまりにも低い評価で、…

HTML&スタイルシート デザインブック

HTML&スタイルシート デザインブック 装飾をCSSに委ねるとき、一部ではなく全てを任せよ、という原則があります。元々CSSは、そのように使うものとして設計されているのです。しかし実際にCSSでデザインしていくと、各部分のデザインはうまくいっても、レイ…

HTML&スタイルシートトレーニングブック

HTML&スタイルシートトレーニングブック 本書のタイトルは誤解を招きかねません。本書は既にある程度わかっている人のための練習帳ではなく、これから第1歩を踏み出す入門者に最適な解説書です。 類書に「HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術」と…

HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術

HTMLとスタイルシートによる最新Webサイト作成術 HTMLとCSSをそれぞれ本来の役割にしたがって使う方法を解説したWebサイト作成の入門書。「なぜ?」を起点にていねいな解説が行われている好著です。 本書では、ごく自然にHTMLによる文書構造を明示する考え方…

2003週刊文春ミステリーベスト10

週刊文春 2003年12月25日号 「このミス」の倍以上の回答者数を誇る、歴史あるランキングが本日発表されました。 国内編 「クライマーズ・ハイ」横山秀夫 「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午 「グロテスク」桐野夏生 「重力ピエロ」伊坂幸太郎 「終…

箱庭のような世界を好む

私が純文学を好かない理由はハッキリしないのだけれど、とりあえず、(私にとって)どうでもいい描写の中に物語を回転させる描写が埋もれてしまっているようなのは困る。私のように読むのが遅い人は、じっくり読んでいるわけではなくて嫌でも時間がかかって…

化石の森

新潮社は数十年前より不定期に純文学書下ろし特別作品を刊行している。箱入りの上製本で、本体が布で装丁されているのが印象的。いかにも高級な感じなのだ。私は純文学にあまり興味がないので、筒井康隆「敵」くらいしか読んだことがない。ひょっとすると、…

このミステリーがすごい! 2004年版 海外編ベスト20

このミステリーがすごい! 2004年版 海外編は新刊が文庫で出ることが多いのが嬉しい。ランキング上位の作品はハードカバーが多いのですが……。私の場合、海外編についてはIN☆POCKET11月号を参考にしています。毎年11月号の特集は文庫の翻訳新刊だけを対象にし…

このミステリーがすごい! 2004年版 国内編ベスト20

このミステリーがすごい! 2004年版 私は小説に関しては「このミス」と趣味があっているので、98年版以降、毎年買っている。それ以前は小遣いが月に500円程度だったから、本を買うことはなかった。図書館にはずいぶんお世話になった。全頁読んだ本(という縛…

高村薫を読んでグッタリ

ちょっと読書に疲れました。私にはたぶん高村薫は高尚すぎるんだと思う。たいていの小説は50ページ我慢して読み進められれば楽しくなってくるのだけれど、高村薫はその先でも何度も「ちゃんと読むのが面倒くさい病」が頭をもたげてきて困った。Amazonの書評…

鯨統一郎の小説が面白い

このところ鯨統一郎の小説を読んでいる。そこでふと思い立って、いろんな人の感想を読もうと思った。検索してみると、はてなダイアリー 鯨統一郎が上位に登場。相互リンクしまくりのはてなダイアリーというシステムは、やはりSEOに強いらしい。 はてなダイア…

書籍の価格

ところで「猿丸幻視行」は近所の古書店でたくさん買った内の一冊で、後で確認すると50円の値札がついていた。一ヶ月で増刷がかかった第二刷で、定価は980円だった。乱歩賞の受賞作は私が生まれてから20数年で7割以上も値上がったことになる。規定枚数は当時…

猿丸幻視行

昭和55年に第26回江戸川乱歩賞を受賞したのは井沢元彦「猿丸幻視行」だった。最終選考に残った作品には島田荘司「占星術のマジック」があり、これは後に「占星術殺人事件」として刊行され大きな反響を呼んだ。TBSで報道記者として修行中だった井沢は後に専業…

本の置き場に困る

この2日間でずいぶん大量の書籍を購入しました。置き場が……。このところ金銭的に余裕が取れるようになったので、仕事関係の雑誌もとることに決定。「日経エレクトロニクス」年間19000円で隔週刊の23冊。それはまあいいんだけど、これが2誌、3誌と増えていく…

直木賞を取り損ねた「半落ち」

横山秀夫「半落ち」が直木賞を取り損ねた。選考委員の誰かが「受刑者はドナーになれないことを忘れている」などという愚にもつかない批判をして、なぜかそれが支持を得てしまったからだ。受刑者がドナーになれなくたって、物語に破綻が生じないのは明々白々…

最近読んだ本

「永遠の仔」を読了。天童荒太、やってくれたな。1999年にベストセラーになってからというもの、いつか読もうと思っていた。大学の教養科目で児童相談所で仕事をされている方からも薦められたことがあった。たしかにその方のおっしゃる通り、「永遠の仔」は…