最近読んだ本
「永遠の仔」を読了。天童荒太、やってくれたな。1999年にベストセラーになってからというもの、いつか読もうと思っていた。大学の教養科目で児童相談所で仕事をされている方からも薦められたことがあった。
たしかにその方のおっしゃる通り、「永遠の仔」は汚い物語である。ミステリー小説という娯楽作品として面白くなるように、派手で残酷な犯罪が描かれる。だが、それは本を広く売るためには仕方のないことである。天童はそうした小説を書くのが得意だから、自分のフィールドで勝負したに過ぎない。このミス2000年度版で「白夜行」「亡国のイージス」を押さえて1位になったのも納得の傑作。
「白夜行」「亡国のイージス」は文庫になったが、「永遠の仔」はまだだ。天童荒太は文庫化にあたって加筆訂正するのが好きである。だから遅れているのだろう。ハードカバーが高いと思われる方は、古書店を探すといい。やたらと売れた本なので、ちょっと探せば見つかるはずだ。