階級

テレビのお笑いがコントではなくてバラエティーに偏重している理由は、視聴率なしじゃあテレビ局は運営できないからです。ダウンタウンのコント番組が昨年だか一昨年だかに一夜限りの復活スペシャルをやりましたが、たしか10%に届かなかったんじゃなかったかな。私は夕飯食べながらそれを見ていて、非常に面白いと思ったんだけれども、やっぱり数百万人に受けたってダメなんですね。数千万人が求めるのがバラエティー番組だというのだから、テレビ局はバラエティー番組を作るしかない。

日本のテレビ報道は幼稚だということはずっと昔からいわれてきて、70年代にはポール・ボネ「不思議の国ニッポン」なんかでも散々コケにされているのだけれども、これだって「記者さんも商売だからさー」の一言で説明がつく。

話をお笑いに戻すと、テレビ局はふつうスタジオ観覧席に1万円の値をつけて売ったりはしない。ちゃんとお金を取って人を集めているのは、やっぱりコント中心のライブだ。おそらくは、テレビという広告収入で成り立つ無料媒体で人気を得るにはバラエティーの方が向いている、というだけの話に過ぎない。

しかしまあ、あれだね。松本人志松たか子の納税額がほぼ同じだとは吃驚だ。浜崎あゆみがその4倍近いというのも意外。宇多田ヒカルだって3.5倍だから凄い。松井秀喜が2.7倍、僅差でこれをかわしたのが竹村健一アメリカに土地を買って儲けたそうだ。評論家の鏡。明石屋さんまは0.9倍、村上春樹にちょっと負けている。その上にいるのが内田康夫宮部みゆき、西村京太郎。宮部と西村はそれぞれ1.3倍と1.7倍だ。

国会議員のトップは中村正三郎で2倍弱、2位はガクッと落ちて1.1倍にしかならない。議員なんてのは大して金持ってないんだよね、いや、実際。金丸さんの金塊だって、あれは派閥の若いもんに配る選挙資金だったわけで。森さんの住んでたマンションはサラリーマンも使ってるようなものだったし、国松警察庁長官もふつうの場所に住んでいた。井上裕前参院議長は母校の先輩だけれども、田舎の中企業役員と軒先を並べている。かりにも三権の一角の長だった人物なのに。

日本も、フランスやイギリスみたいに貴族階級と労働者階級を分けたほうがいいのと違うか。あるいは、アメリカみたいに成り金と貧乏人を峻別するとか。日本一、税金を納めたという人でもたったの17億円。日本には金持ちがいない。まあ、多数決で政治をやっていけばそういう社会になりますよね。でも、それでいいのかなー。いいのかもしらんけど。